ドイツ生活とドイツ語学習の備忘録

ドイツ生活とドイツ語をマスターするまでの記録

【ドイツ語ネタ】「豚」を使った日常でよく使う口語表現

久々のドイツ語ネタ。

ドイツ語では「豚」を使った口語表現が本当にたくさんあって、日常会話でよく使うので、自分の備忘録をかねて紹介します。

子豚が可愛いと思っていて、いつかペットとして飼いたいと思っている私。 なんで「豚🐷」??といつも疑問に思っていました。 そんな背景や理由も兼ねて、書きました。

豚好きの私が選んだ、豚を使った日常ドイツ語表現教えます!
暇つぶし、雑学のネタに、ぜひどうぞ!🐷

ドイツ語「豚」なんて言う?

ドイツ語の豚は、メスとオスの違いで単語が違うけど、一般的には、「Schwein」を使います。
お肉屋さんでは、豚の表示は「Schwein」🍖

豚: das Schwein
メス豚: die Sau
オス豚: der Eber
子豚: das Ferkel

口語表現でよく使うのは、豚とメス豚の単語。(オス豚の単語を使った口語表現はあまり聞かない)

ドイツ語で「豚」を使った表現が多い理由

なんでドイツ語にはこんな豚を使った表現が多いの? とそのドイツ語を聞くたびに思ったけど、その理由はこちら。

歴史的、文化的、そして宗教的な背景が関係しているみたい。

豚はドイツ人にとって、幸運、豊かさ、そして時には乱雑さやユーモアを象徴する動物らしく、その多面的なイメージが、ドイツ語の表現に反映されているよう。

1. 豚の歴史的・文化的価値

• 豊かさと幸運の象徴  

古代ヨーロッパでは、豚は食料の確保と結びついていた。
豚を飼うことは安定した生活や豊かさを意味し、農村では豚を持っている家庭は裕福とされたため、ドイツ語の「Schwein haben(運がいい)」という表現が生まれた。 (中世の競技で負けた者が「豚」を受け取ることがあったけど、豚は貴重な財産であったため、実際には「運がいい」とみなされたらしい。)

• 食文化での重要性  

ドイツでは豚肉が食文化の中心にあり、現在でも、ソーセージやシュニッツェルといった豚肉料理が定番です。このため、豚が日常生活の中で親しみ深い存在になっている。

2. 象徴的な意味

• ポジティブな意味    

ドイツでは「豚」は豊かさや幸福を象徴することが多い。
例えば、正月の時期には「Glücksschwein(幸運の豚)」という小さな豚のフィギュアが贈り物として使われます。これは新しい年に幸運をもたらすとされている。

• ネガティブな意味     

一方で、豚は汚れた動物としての側面も強調され、乱雑さやだらしなさを表すこともある。
例えば、「Sauerei(散らかった状況、汚らしいこと)」のような表現がそれにあたります。

3. 言語の比喩性とユーモア

ドイツ語は具体的な物事を使った比喩表現が豊富な言語で、動物に基づいた表現が多い。
豚は生活に密着していたため、感情や状況を表す際に親しみやすい例えとして使われるようになった。

• ユーモアを交えた表現  

例: Die Sau rauslassen(羽目を外す) 豚が自由に暴れる様子をイメージ。

• 感情の強調  

例: saugut(すごく良い)
「豚」が強調の意味合いを持つ形容詞として使われている。

4. 宗教的な影響

キリスト教文化において、豚は他の意味を持つこともある。聖書には豚が「不浄」とされる箇所もありますが、これが完全に否定的なイメージにつながったわけではない。むしろ、豚を使った表現はキリスト教以外の民間伝承や農耕文化に根ざしたものと考えられている。

豚はドイツ人にとって、幸運、豊かさ、そして時には乱雑さやユーモアを象徴する動物。その多面的なイメージが、ドイツ語の表現に反映されています。こうした背景から、「Sau(メス豚)」や「Schwein(豚)」を使った表現はドイツ文化の一部として根付いているのです。

興味深いですよね! 😊

「Schwein(豚)」を使った表現

基本的には、強調表現や感情を込めて使われることが多く、文脈によってニュアンスが変わります。
使用する際には相手や状況を選ぶのが大事です!

1. Schwein haben「運がいい」

• 例: Du hast aber Schwein gehabt!(君は本当に運が良かったね!)

2. Schweinehund überwinden「自分の弱さを克服する」

• 例: Ich muss meinen inneren Schweinehund überwinden.(自分の怠け心を克服しないと。)

Schweinehundの直訳は、「豚犬」になるんだけど(笑)😂 innerer Schweinehundとは、ドイツ語の比喩的な表現で、「自分の中の怠け心」「自分の弱さ」「自分の中に宿る魔の誘惑」を指します。

3. Schweinearbeit「大変な仕事、骨の折れる仕事」

• 例: Das war eine echte Schweinearbeit.(本当に骨の折れる仕事だった。)

4. Schweinerei 「汚いこと、不正なこと」

• 例: Das ist eine Schweinerei!(それは汚いことだ!)

5. Schweineteuer「とても高い/めちゃくちゃ高価」

• 例: Das ist ja schweineteuer!(それはめちゃくちゃ高い!)

「Sau(メス豚)」を使った表現

「Schwein(豚)」同様に、感情を強調したいときに使います。 感覚的には、「Schwein(豚)」より、「Sau(メス豚)」を使った口語表現の方が多い。

1. Sauarbeit「ひどい仕事、いい加減な仕事」

• 例: Das ist ja eine Sauarbeit!(これは本当にひどい仕事だ!)

2. Sauwetter「ひどい天気」

• 例: Was für ein Sauwetter heute!(今日はなんてひどい天気なんだ!)

3. Sauerei「散らかった状況、不公平な状況」

• 例: Das ist eine Sauerei!(それは不公平だ!/散らかりすぎ!)

4. Saumäßig「すごく/非常に(ポジティブにもネガティブにも使える)」

• 例: Ich habe saumäßig viel zu tun.(めちゃくちゃ忙しい。)

5. Die Sau rauslassen「羽目を外す、思い切り楽しむ」

• 例: Lass uns die Sau rauslassen!(思い切り楽しもう!)

日本語や英語だったら、動物を使った表現は人をけなす言葉だったり、ネガティブな意味をもつ表現が多いと思うけど、ドイツ語ではポジティブな意味でも使うと知って、驚いた。
言語って背景や文化によって全然違って面白いなーと!😀